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【初心者必見】ISO取得をスムーズに進める方法とは?必要な手順・費用・期間を徹底解説

執筆者の写真: 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)

ISO取得の手順・費用・期間を初心者向けに徹底解説!リスク評価や内部監査の進め方、成功事例も網羅し、ビジネス拡大とリスク低減を同時に目指すための完全ガイド。

▼ 目次


ISO取得の手順・費用・期間を初心者向けに徹底解説!リスク評価や内部監査の進め方、成功事例も網羅し、ビジネス拡大とリスク低減を同時に目指すための完全ガイド。

1. ISOとは?初心者が最初に押さえるべき基礎知識

1.1 ISOとは何か:国際標準化機構とマネジメントシステム認証の概要

ISO(International Organization for Standardization)は、産業や技術、製品規格などを国際的に標準化する非政府組織です。

  • マネジメントシステム認証では、組織がある分野での管理体制を整備し、ISOが定める要求事項に適合しているか第三者が評価し認証を与える仕組みです。

  • 代表的規格例:

    • ISO27001:情報セキュリティマネジメント

    • ISO9001:品質マネジメント

    • ISO14001:環境マネジメント

コンサルタント視点:

  • ISO認証を取得すると、組織のマネジメント体制が国際標準であると証明でき、取引先や顧客の信頼度が上がります。特に情報セキュリティ領域のISO27001は、近年DXやリモートワークが拡大する中で要求されるケースが増えています。

1.2 ISO規格の種類:ISO27001、ISO9001、ISO14001など主要規格の特徴

  • ISO27001: 組織が持つ情報資産を守るための管理体制(ISMS)を評価・認証する規格。

  • ISO9001: 品質マネジメントシステムに関する規格。顧客満足度向上やプロセス改善を重視。

  • ISO14001: 環境マネジメントに関する規格。事業活動が環境に与える影響を継続的に改善する仕組み。

実務例: 大手製造業では、品質・環境・情報セキュリティのISO規格を統合マネジメントシステムとして一括運用するケースが増えており、監査コストを削減しつつ総合的な管理体制を強化しています。

1.3 なぜISOが注目されるのか:国際取引・信頼性・リスク管理の重要性

  • 国際取引: 海外企業や官公庁との取引条件でISO認証が必須になる場合が多い。

  • 信頼性: 国際標準に則ったマネジメント体制を整えることで、顧客や取引先の安心感が増し、営業面でも優位性を獲得。

  • リスク管理: 情報漏えい、品質不良、環境事故などのリスクを体系的に低減し、企業のレジリエンスを高める。

経験談: あるITサービス企業では、取引先が外資系だったためISO27001取得が必須要件となり、認証後に大口契約を獲得。その後も海外展開がスムーズに進んだ事例があります。


 

2. ISO取得のメリットを徹底解説:ビジネス拡大とリスク低減の両立

2.1 取引先・顧客からの信頼度アップで新規案件獲得

  • ISO認証は「第三者から管理体制を認められた証拠」。

  • 大手企業や官公庁との入札で加点対象、あるいは必須条件になるケースが多数。

  • 他社事例: 中小IT企業がISO27001取得後、大手クライアントとの取引が一気に広がり、売上が1.5倍に増加。

2.2 リスク管理・コンプライアンス強化による事故コスト削減

  • 事故コスト: 情報漏えい、品質トラブル、環境トラブルが発生すると賠償金や風評被害が大きい。

  • ISOを取得し、PDCAを回すことで、日常的にリスクを監視・改善し、重大な事故を防ぎやすくなる。

  • 実務上のポイント: インシデント発生時の対応ルールや責任分担が明確になるので、混乱が少なく済む。

2.3 社員の意識改革と業務効率化:規格取得が組織力を高める事例

  • 文書化や定期的な教育を通じて従業員のマネジメントスキルが向上。

  • 業務プロセスを見直す中で ムダが洗い出され、効率化に繋がる 例も多い。

  • コンサルタント視点: 「ISO導入→従業員がなぜこのルールが必要かを自分で考え始める→業務全体を俯瞰する習慣がつく」という好循環が生まれます。


 

3. ISOを取得する流れ:ざっくり把握する全体像

3.1 適用範囲(スコープ)の設定とプロジェクトチーム編成

  • 適用範囲: 全社導入か一部部署だけに限るのか。リソースやリスク状況に合わせて決定。

  • プロジェクトチーム: 経営層のスポンサー、各部門リーダー、情報管理担当者など、横断的に編成するとスムーズ。

3.2 文書化・ルール整備・内部監査の手順

  • 文書化: 規程・手順書を整備し、それらに基づいて全社員が行動できる環境を作る。

  • 内部監査: 社内の別部署や専門スタッフが運用状況をチェックし、改善点を洗い出す。

3.3 第三者審査(ステージ1・2)を経て認証取得:全体のフローをイメージする

  1. ステージ1審査:主に文書類の整合性を確認。

  2. ステージ2審査:運用実態を実地で審査。ヒアリングや現場チェックが中心。

  3. 合格後、ISO認証が付与される。


 

4. 【手順①】リスクアセスメント・ギャップ分析と適用範囲の設定

4.1 現状把握:企業内の課題やリスクを洗い出す方法

  • リスクアセスメント: まず、情報資産(顧客データ、製品情報など)や業務プロセスを可視化し、潜在リスクを把握。

  • ギャップ分析: 現在の管理体制とISO規格の要求事項を比較して、どれだけ差があるかを測定。

実務例: Excelシートで「資産一覧」「脅威」「脆弱性」「対策状況」を整理し、点数化して優先度をつける。コンサルに依頼すると、テンプレートやツールを活用して短時間で洗い出せる場合も。

4.2 規格ごとの重要ポイント:ISO27001なら情報資産、ISO9001なら品質プロセスなど

  • ISO27001: セキュリティリスク(情報漏えい、サイバー攻撃など)に注目。

  • ISO9001: 製品やサービスの品質保証、顧客満足度の向上が焦点。

  • ISO14001: 環境影響を最小化する仕組みづくりが中心。

4.3 適用範囲を絞るか、全社導入か:メリット・デメリットと失敗例

  • 部分導入: リソースが限られる中小企業では、リスクの高い部門だけ先行導入し、ノウハウを蓄積してから全社展開。

  • 全社導入: 大企業やトップダウンの指示が強い場合、一気に全範囲をカバーして導入コストと時間をかけて一括取得。


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5. 【手順②】必要な文書と体制づくり:規程・手順書・SoA(適用宣言書)

5.1 規格要求事項に沿った文書化:上位方針から現場手順書まで

  • 上位文書(方針・目的): 経営層が示す大きな方向性。

  • 中位文書(規程): セキュリティポリシーや品質管理規程など、部門横断ルール。

  • 下位文書(手順書・マニュアル): 現場オペレーションの具体的な方法。

注意点: 文書化しすぎると現場が混乱、逆に少なすぎると審査で不備と指摘されやすい。バランスが重要。

5.2 教育・啓発のポイント:形骸化を防ぐ工夫と社内周知徹底

  • 研修: 新規導入時や定期的に集合研修やオンライン学習を実施。

  • 周知徹底: 社内SNSや掲示板での告知、月次のセキュリティニュース配信など。

  • 失敗例: 研修資料だけ作って満足し、継続的なテストや演習をしないと、従業員が理解できず運用でトラブルが発生。

5.3 文書化の過不足で起こるリスクとベストプラクティス

  • 過度な文書: 重複・煩雑化により現場がルールを読みきれない・守れない。

  • 不十分な文書: 審査や内部監査で「規程に書いてない運用が多い」と不適合を指摘される。

  • ベストプラクティス: 適宜見直しを繰り返し、組織の成長とともに文書をアップデート。


 

6. 【手順③】内部監査とマネジメントレビュー:PDCAサイクルの回し方

6.1 内部監査の目的・チェック項目・実施手順

  • 目的: 規格要求事項や社内規程が正しく実施されているかを客観的に評価し、改善点を発見。

  • チェック項目: 文書と運用の一致、リスクアセスメント通りの対策実施、教育状況、記録の正確性など。

  • 実施手順: 年1~2回の計画的な監査、監査報告、是正措置。

6.2 監査指摘の是正措置と改善:失敗事例から学ぶ運用ノウハウ

  • よくある指摘: 適用宣言書(SoA)と現場の実際がずれている、リスクアセスメントの更新が止まっているなど。

  • 失敗事例: 指摘事項を放置したまま外部審査に臨み、急遽大がかりな修正で認証取得が遅延。

  • 成功の秘訣: 指摘を迅速に反映し、改善策を次回監査までに定着させる短いPDCAを回す。

6.3 マネジメントレビューで経営層のコミットメントを確立させるコツ

  • マネジメントレビュー: 経営層が監査結果や運用指標を見て、方針や予算を再評価する場。

  • コミットメントを高める: 投資対効果(事故回避、売上拡大、取引先評価)を定量的に示し、経営視点でのメリットを明確化する。


 

7. 【手順④】第三者審査(ステージ1・ステージ2)の受け方と注意点

7.1 審査登録機関の選定基準:価格・実績・審査対応など

  • 選定基準: 業種ごとの知見、海外実績、審査員の対応(オンライン審査可否、サポート体制)などを比較。

  • 見積もりの注意: 従業員数・拠点数・適用範囲で日数が変わるため、事前に要件を整理しておく。

7.2 ステージ1審査:文書・ルール整備の確認で見落としがちな不備例

  • 文書審査: 規程・手順書が要求事項を満たしているか主に書面でチェックされる。

  • 不備例: リスク評価で高リスクとしているのに手順書やSoAで対応策が明記されていない、マネジメントレビューの記録が不十分など。

7.3 ステージ2審査:現場ヒアリングや運用実態を問われるポイントと成功事例

  • 運用実態: 審査員が部署を訪問して従業員にヒアリング。「この規程は知ってる?」「どう実施してる?」など。

  • 成功事例: 事前リハーサルでQ&A想定を行い、現場担当が自信を持って回答できるよう準備し、指摘ゼロで合格した企業もある。


 

8. ISO取得にかかる費用と期間:現場での実態を徹底解説

8.1 審査登録機関への費用相場:企業規模・適用範囲・拠点数で変わるポイント

  • 費用目安:

    • 小規模(~50名):30~50万円/年

    • 中規模(50~200名):50~100万円/年

    • 大企業(200名以上):100万円以上/年

  • ポイント: 審査日数が増えるほど費用が上がる。複数拠点対応や海外拠点がある場合は更に増加。

8.2 コンサル活用か自社完結か:費用対効果と短期取得の方法

  • コンサル活用: 専門ノウハウで短期取得を狙え、内部リソース不足を補える。費用は50万~数百万円と幅広い。

  • 自社完結: コスト削減できるが、担当者が兼務だとスケジュールが伸びやすい。

  • 両者のハイブリッド: 一部工程(リスクアセスメント・監査リハーサルなど)のみコンサルに依頼する企業も多い。

8.3 導入期間の目安:小規模企業~大企業まで、最短3か月~1年超の実例

  • 小規模: 3~6か月で取得した実例多数。最短2か月のスピード取得も稀に存在。

  • 大企業: 部署調整・多拠点管理で6か月~1年以上。グローバル企業だと2年程度かかるケースも。

  • 時短のコツ: スコープを絞る、トップダウンで迅速な意思決定、過去に類似マネジメントシステム(ISO9001等)の経験があると早い。


 

9. 取得後の維持運用とサーベイランス審査:取りっぱなしで終わらない管理体制

9.1 毎年の維持審査(サーベイランス)をスムーズにこなす方法

  • 維持審査: 認証取得後、通常1年目・2年目にサーベイランス審査。3年目に更新審査が行われる。

  • スムーズ化: 定期的に内部監査で運用状況を確認し、システムやルール更新を事前に行う。

9.2 内部監査の役割:定期的に運用ギャップを発見・修正する

  • キーとなる監査: 「取得時点の状態を保てているか?」を社内で検証し、ズレを早期発見。

  • 事例: 毎月1回部門別監査を回している企業では、維持審査で大きな指摘ゼロの実績。

9.3 更新審査時にリスクが増えがちな新技術・新プロジェクトへの適用

  • 新プロジェクト: クラウド移行、海外拠点新設、製品ライン拡大などでリスクが変わる。

  • 改めてリスク評価を行い、SoAや手順を更新しないと更新審査で不適合の可能性がある。


ISO取得の手順・費用・期間を初心者向けに徹底解説!リスク評価や内部監査の進め方、成功事例も網羅し、ビジネス拡大とリスク低減を同時に目指すための完全ガイド。

 

10. 成功事例:初めてのISO取得で結果を出した企業のリアルストーリー

10.1 中小IT企業が短期間で取得し、大手案件を獲得した例

  • 背景: 従業員30名。大手クライアントから「ISO27001認証がないと取引不可」と言われた。

  • 取り組み: コンサルにリスクアセスメントと文書整備を部分的に依頼し、週1回の進捗ミーティングで管理。

  • 成果: 5か月で取得後、同クライアントとの契約成立で売上が1.4倍に。

10.2 多拠点・グローバル展開企業がBCPと統合しコスト削減した例

  • 背景: 製造業で国内外に10拠点。品質(ISO9001)と情報セキュリティ(ISO27001)、BCPを一括管理したい。

  • 取り組み: 統合マネジメントシステムを構築し、審査も一元的に受ける。

  • 成果: 各拠点別にバラバラだった監査や文書を統合し、監査対応コストを30%削減。

10.3 公共事業入札要件を満たし、売上を2倍に伸ばしたケース

  • 背景: 建設関連企業が自治体案件に入札する際、「ISO9001またはISO27001」が評価項目に。

  • 取り組み: 全社統一のプロセス管理を導入し、1年でISO9001取得。

  • 成果: 入札の点数アップにより大型案件を連続受注し、売上2倍に。社内の業務効率化も進んだ。


 

11. Q&A:初心者が気になる疑問を一挙解消

11.1 「リスクアセスメントが難しそう…どこから始めればいい?」

  • 回答: まずはExcelなどで情報資産と脅威・脆弱性を洗い出し、発生可能性×影響度で優先度付け。

  • コンサルのアドバイス: テンプレートを使い、小さく始めて運用しながら改善する。専門ツール導入も一手。

11.2 「内部監査は誰がやる?外部委託は可能?」

  • 回答: 基本は社内メンバー(別部門や監査担当)が行う。人手不足や専門知識不足なら外部委託もアリ。

  • 注意: 外部に依頼すると社内ノウハウが蓄積しづらい面もある。

11.3 「更新審査や維持審査で苦労しないためのコツは?」

  • 回答: 定期的に内部監査を実施し、指摘を随時是正。重要ドキュメントや教育プログラムをアップデートしておく。

  • コンサル経験: ‘取りっぱなし’ 状態になると、不適合が積み上がり更新審査で一気に指摘されるケース多い。

11.4 「ISO9001やISO14001、ISO27001など、どれを先に取得すべき?」

  • 回答: 組織が抱える主要リスクや顧客ニーズに合わせる。品質改善が急務ならISO9001、情報漏えいリスクが高ければISO27001など。

  • 事例: 同時取得や統合運用も可能だが、リソースが十分かどうかを検討するのが大切。


 

12. まとめ:ISO取得をスムーズに進めるポイントを押さえ、ビジネスを飛躍させよう

12.1 手順のおさらい:リスクアセスメント→文書化→監査→審査→維持

  1. 現状把握&適用範囲決定

  2. 規程・手順書・SoA作成&教育

  3. 内部監査・是正措置→マネジメントレビュー

  4. 第三者審査(ステージ1→ステージ2)

  5. 維持審査・更新審査で長期運用

12.2 経営層のコミットメントを確保し、社内連携を強化する重要性

  • トップの意志: 予算や人員を確保し、全社でルール順守を徹底する推進力になる。

  • 社内連携: 部署の壁を越え、情報共有や問題解決を共同で行う文化が根付くと、ISO運用がスムーズ。

12.3 小さく始めて段階的に拡大、PDCAを回して競争力を高める

  • スモールスタート: 負担を抑えつつリスクの高い領域から着手し、成功事例を他部署へ横展開。

  • PDCAの継続: ISMSやQMSを育てることで、競合他社との差別化や事故回避につながり、長期的な企業価値を高める。

12.4 今からできるアクション:情報資産リスト作成、簡易リスク評価、社内周知

  • 情報資産リスト: 最初の一歩として、部門ごとにデータやシステム、機密書類を洗い出し、重要度を振り分ける。

  • リスク評価: 大雑把でも、発生可能性×影響度を数値化してみると、対策優先度が明確になる。

  • 社内周知: 経営層から「ISO取得に取り組む」宣言を出し、全社員が意識を共有する体制を作る。


 

【総括】

ISOを取得することで、組織のマネジメント力が飛躍的に高まるだけでなく、リスク低減取引先との信頼強化など多方面の効果が期待できます。特に初心者が気をつけたいのは、適用範囲の選定とリスクアセスメントをしっかり行うこと、そして内部監査や教育を形骸化させないこと。本記事で紹介したステップと要点を参考に、自社に合った導入計画を立ててみてください。PDCAサイクルを回し続けることで、単なる認証取得にとどまらず、ビジネス全体の競争力とレジリエンスを高める一助となるでしょう。ぜひ今こそ、ISO認証取得に向けて一歩を踏み出してみてください。

ISO取得の手順・費用・期間を初心者向けに徹底解説!リスク評価や内部監査の進め方、成功事例も網羅し、ビジネス拡大とリスク低減を同時に目指すための完全ガイド。

この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)

大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている。

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