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初心者向け!ISO9001の適用範囲とは?わかりやすい具体例と設定手順を徹底解説!

  • 執筆者の写真: 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
    【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
  • 23 時間前
  • 読了時間: 8分

ISO9001の適用範囲とは?初心者にもわかりやすい具体例と設定手順を紹介し、リスクや審査の要点を踏まえた運用コツで形骸化を防ぎ、効率的な品質管理を実現します

▼ 目次


ISO9001の適用範囲とは?初心者にもわかりやすい具体例と設定手順を紹介し、リスクや審査の要点を踏まえた運用コツで形骸化を防ぎ、効率的な品質管理を実現します

1. はじめに

1.1. 本記事の目的と想定読者

ISO9001の**「適用範囲」**は、認証を取得する企業や組織がどの部門や拠点、製品やサービスをISO9001の対象とするのかを決めるときに重要なポイントです。しかし、「具体的にどこまで含めるべきか?」「コストやリスクとのバランスは?」と悩む初心者も多いでしょう。

  • 本記事の目的

    1. 適用範囲の基本や設定手順をわかりやすく説明し、\u3000審査で問題なく通るためのコツを知る

    2. 実務に直結する具体例や他社での導入事例を交え、形骸化しない運用を目指す

    3. 適用範囲を適切に決めることで、リスクとコストのバランスを取りながらISO9001を活かす方法を学ぶ

  • 想定読者

    • ISO9001をこれから導入するが、どの部署や拠点を対象にするか迷っている品質担当者・管理責任者

    • すでに認証を取得しているが、適用範囲を見直してコストダウンやリスク対策を図りたい経営者・リーダー

    • 初心者でも理解できるよう、専門用語を優しく解説してほしい方

1.2. 適用範囲がISO9001で重要な理由

ISO9001では、企業や組織が自社の品質マネジメントをどの範囲に適用するかを定義する必要があります。これが“適用範囲”と呼ばれるものです。

  • 初心者向け用語解説

    • 適用範囲(4.3): 「どの拠点・製品・サービス・プロセスをISO9001の対象とするか」を決めること

    • リスクベース思考: 適用範囲を決める際にも、どの部門や工程に大きなリスクがあるかを考慮→ 無駄なく品質管理を行える

本記事のゴール: 範囲を適切に設定することで、審査時のコストや難易度を最適化しつつ、形骸化を防ぐ運用を目指しましょう。


 

2. ISO9001の適用範囲とは?基本の考え方とメリット

2.1. “適用範囲”の基本概念

ISO9001では、企業が全事業や全拠点を必ずしも対象にする必要はありません。重要な工程や顧客と直結する部門だけを先行して認証するのもOKです。一方で、範囲が曖昧だと審査で指摘されやすく、実務でも混乱を招きがちです。

  • : 製造業で「A工場のみ」を最初の適用範囲にする or サービス業で「コールセンターだけ」を対象にする

2.2. メリット:リスク回避・コスト最適化

  • リスク回避: 重要工程をきちんとISOの管理下に置くことで、不良やクレームリスクが下がる

  • コスト最適化: 適用範囲を絞れば、文書化や教育、監査コストが抑えられ、無理のない導入が可能

  • 他社事例(サービス業A社): コールセンターだけ先行導入→ 顧客満足度向上で追加費用もすぐ回収

2.3. 形骸化を防ぐポイント

  • 選定理由を明確に: “なぜこの部門を選んだのか?” “この拠点はなぜ含めないのか?”を関係者に説明

  • コンサル視点: 部門が増えたり契約先が要望したりすると、後で範囲拡大が必要→ 早めに見直し計画も考慮すると効率的


 

3. 適用範囲の具体例:業種別サンプル

3.1. 製造業:工場ごとの範囲設定

  • : 複数工場がある場合、まず主力工場のみ適用→ 実績をもとに他工場へ展開

  • 成果: 一気に全工場導入よりスムーズ。リソース不足による混乱を回避しつつ、成功モデルが作れる

3.2. サービス業:拠点・部署単位での範囲

  • : カスタマーサポート部門だけ先行認証→ クレーム対応品質を向上して顧客満足度UP

  • 失敗談(サービス業B社): 全拠点同時導入で文書化・教育が追いつかず、形骸化→ 後に範囲を絞り直し成功

3.3. IT・ソフトウェア開発: プロジェクトや開発部門のみ

  • 説明: 要件定義~リリースを対象にし、営業やバックオフィスは除外など柔軟に設定

  • 他社事例: IT企業C社がAIチームのみ先行→ 品質管理体制を強化し、大手クライアントを獲得


 

4. 適用範囲の設定手順:初心者向け解説

4.1. ステップ1:事業全体とリスク・機会を整理

  • 方法: 主要製品やサービス、リスクの高い工程、顧客との直接接点などを洗い出す

  • : サプライヤー品質リスクが大きいなら購買部門を含む、顧客対応リスクが高いならサポートセンターを対象

4.2. ステップ2:範囲を絞り込む or 全社適用か決定

  • 全社一括か、主要部門・拠点のみか→ コスト・リソース・リスクを総合判断

  • コンサルTIP: 初めての場合は範囲を狭めて認証取得→ 後から拡大する企業が多い

4.3. ステップ3:適用範囲を文書化し、関連部門と合意

  • “どの拠点・部門・製品ラインが対象?” “範囲外の部門との連携ルールは?”などを明記

  • 事例(製造業D社): 「A工場のみ適用」と定め、取引先にもしっかり説明→ 誤解や混乱を防ぐ

4.4. ステップ4:内部監査で範囲と運用が合致しているか確認

  • 適用範囲外の工程とのやり取りが発生→ “境界”で不備がないか監査時にチェック

  • 成功策: 範囲内外の業務区分がはっきりしていれば、審査員からも好印象

4.5. ステップ5:認証後に範囲拡大 or 維持運用

  • 認証取得後も運用評価→ 効果を見て必要なら他部門や製品ラインを追加し、全社展開を目指す

  • メリット: 一度整備したノウハウがあり、拡大時の手間が軽減


ISO9001の適用範囲とは?初心者にもわかりやすい具体例と設定手順を紹介し、リスクや審査の要点を踏まえた運用コツで形骸化を防ぎ、効率的な品質管理を実現します

 

5. 適用範囲を正しく設定するメリットとデメリット

5.1. メリット

  • リスクとコストのバランス: 重要な部門や工程だけを先に導入→ 無理なくスタート

  • 内部監査・審査の効率UP: 範囲が明確なので監査の焦点が定まり、不備を見落としにくい

  • 顧客や取引先への説明: 「この部門・ラインはISO9001認証済み」とPR→ 安心感を与える

5.2. デメリット

  • 範囲外の工程で起きた品質問題: 認証の効果が及ばない→ 全社ブランドイメージが傷つく可能性

  • 境界での混乱: 適用部門と非適用部門の協力作業が多い場合、ルールの整合性を取る手間が増える


 

6. よくある失敗と対策:形骸化を防ぐために

6.1. 範囲を広げすぎ→ リソース不足で運用が破綻

  • : いきなり全社的にISO導入→ 文書整備や研修が追いつかず、運用が疎か

  • 対策: リスクが高い部門から順に取り組む→ 成功実績をベースに徐々に拡大

6.2. 範囲が狭すぎ→ 肝心の問題部門を外してしまう

  • 失敗例(サービス業E社): 顧客クレームが多い部署を外したため、品質改善効果が現れず“不十分”と審査員に指摘

  • コンサルTIP: 顧客接点やクレーム多発部署は極力含めることを推奨

6.3. 範囲や境界を社員に周知せず、混乱招く

  • 適用範囲を表に出さず「全社的にやってると思っていた」→ 実は一部部署は対象外で混乱

  • 成功例: 適用範囲を図示し「どこまでがISO? どこからは対象外?」を明確に社内掲示


 

7. 成功事例:適用範囲を上手に設定して審査や運用で成果を出した企業

7.1. 製造業F社:主力工場だけで短期間に認証取得→ 他工場へ拡大

  • 背景: 全社導入を試みたがリソース不足→ 成果が出ずに迷走

  • 取り組み: 主要な○○工場を先に適用範囲→ 品質改善成功で社内評価が上がり、他工場も順次拡大

  • 効果: 3年で全工場ISO認証完了、クレーム半減

7.2. サービス業G社:コールセンターだけ先行→ クレーム激減

  • 理由: コストと効果を両立するため、まずお客様対応部署に注力

  • 成果: 1年以内に認証取得→ 審査員からも「範囲が明確で現場が活用している」と高評価

  • その後: 他の部署も興味を持ち、2年後に全社導入

7.3. IT企業H社:開発部門だけ認証→ バグ減& 大手顧客獲得

  • 方法: 営業・管理部門は対象外で、開発プロセス(要件定義~リリース)のみ徹底管理

  • 効果: リリース後のバグ率が大幅減、取引先に「開発品質が高い」と評判→ 受注増


 

8. まとめ:初心者向け!ISO9001の適用範囲とは?わかりやすい具体例と設定手順を徹底解説

8.1. 記事の総括:ポイントの再確認

  1. 適用範囲の意味: ISO9001をどの部門・製品・拠点に適用するか→ 審査と運用コストを左右

  2. 具体的設定手順: (1)事業・リスク把握 (2)範囲決定 (3)文書化&部門合意 (4)監査で確認 (5)拡大or維持

  3. 業種別例: 製造業=工場単位、サービス業=コールセンターだけ、IT=開発部門だけなど柔軟に選択

  4. よくある失敗: 範囲過大で運用負荷、範囲狭すぎで問題部署を外す、周知不足→ 混乱や形骸化

  5. 成功事例: まず小範囲で成果→ 段階的拡大、リスクの高い部署を優先認証などで効果的に品質向上

8.2. 実務でのアクション:初心者が取り組むべきステップ

  1. 自社の主要事業・拠点リスト化: 顧客やリスクを考慮→ どこが認証最優先か決める

  2. 範囲案を作成し、部門長や経営者と協議: コスト・効果・現場の状況を相談

  3. 文書化(適用範囲声明): 内外に「ここがISO適用エリア」とアナウンス→ 誤解を防ぐ

  4. 内部監査で境界を確認: 実際の運用が範囲と合致しているか、連携部署との齟齬は無いか

  5. 運用定着後、範囲拡大or 維持: 成果を見て拡張し、全社へ波及させる計画を検討

あとがき

ISO9001の適用範囲をどのように設定するかは、認証取得の難易度やコスト、そして運用効果に直結する非常に重要なステップです。本記事で紹介した具体例(製造業の工場単位やサービス業のコールセンターなど)や設定手順を参考に、まずはリスクや顧客要件が集中する部門・拠点を優先的に適用してみてください。認証後、効果を確認して範囲を拡大すれば、社員の抵抗感を抑えつつ全社的な品質向上が期待できます。形骸化を防ぐには経営層のコミット内部監査の徹底が欠かせません。ぜひ、適切な範囲設定によって、ISO9001を有効活用し、組織の品質と顧客満足度を同時に高めていきましょう。

ISO9001の適用範囲とは?初心者にもわかりやすい具体例と設定手順を紹介し、リスクや審査の要点を踏まえた運用コツで形骸化を防ぎ、効率的な品質管理を実現します

この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)

大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている

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