ISO認証を取得するには、審査機関の審査に合格する必要があります。
そのためには、規格の要求事項を自社の管理に取り入れ、運用・維持しながら継続的な改善を進めることが求められます。
自社でISO認証の準備を進めることも可能ですが、規格の解釈には専門知識が必要であり、社内に十分なノウハウがない場合、マネジメントシステムの構築は容易ではありません。そのため、多くの企業がISOコンサルタントのサポートを受けながら、スムーズな認証取得を目指しています。
ISO認証のサポートを行うコンサル会社は国内外に多数あり、サービス内容や料金体系もさまざまです。
特に、初めてISO認証を取得する企業にとっては、どのコンサル会社を選べばよいか判断に迷うことも多いでしょう。
適切なISOコンサル会社を選ぶ際には、実績や専門性、サポート範囲、費用、コンサルタントの対応力などを比較することが重要です。
自社に合ったパートナーを見つけることで、認証取得の負担を軽減し、よりスムーズな運用につなげることができます。
①
ISOコンサルタントとは
ISOコンサルタントとは、企業がISO認証を取得し、その後のマネジメントシステムを適切に運用できるように支援する専門家やコンサルティング会社のことを指します。
ISO認証は、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)が策定した国際規格に準拠していることを証明するものです。
ISO認証を取得することで、企業は品質管理や環境管理の基準を満たしていると評価され、社会的信用の向上につながります。
しかし、ISO認証を取得するには、規格に基づいた社内体制を整え、第三者機関による審査をクリアしなければなりません。特に、ISOに関する知識が不足している企業にとって、適切な文書作成や運用ルールの整備は難しく、スムーズな取得が困難になるケースも少なくありません。
そこで、多くの企業がISOの専門知識と豊富な実績を持つISOコンサルタントのサポートを受けながら、認証取得を進めています。
ISOコンサルタントは、企業ごとの課題を分析し、最適なマネジメントシステムの構築をサポートすることで、認証取得の負担を軽減し、スムーズな運用につなげる役割を担っています。
②
ISO取得にコンサルが必要な理由
ISO認証をスムーズに取得するためには、コンサルタントのサポートを活用することが効果的です。
その理由は主に以下の3点にまとめられます。
1. 規格要求事項の正確な理解
ISOの規格は専門的な用語が多く、解釈が難しいことがあります。コンサルタントは規格の要求事項を分かりやすく説明し、企業が正しく理解しながらマネジメントシステムを構築できるようサポートします。
2. 必要な文書・記録の整備
ISO認証には、規格に準拠した文書や記録の作成が求められます。コンサルタントのアドバイスを受けることで、過不足のない適切な書類を準備でき、スムーズな審査通過につながります。
3. 実践的な運用支援
ISO認証を取得しても、運用が不適切であれば維持が難しくなります。コンサルタントは企業の業務に適した仕組みを提案し、無理なく運用できるようにサポートするため、長期的な品質向上や業務効率化にもつながります。
ISO認証取得を成功させるためには、企業の実態に合ったマネジメントシステムを構築することが重要です。そのため、ISOに関する専門知識を持つコンサルタントの支援を活用することで、効率的かつ確実に認証取得を進めることができます。
③
ISOコンサル会社がサポートする内容
ISOコンサル会社は、企業の認証取得プロセスを包括的に支援します。そのサポート内容は主に以下の4つに分かれます。
1. 現状分析とギャップ評価
企業の現行業務を分析し、ISO規格の要求事項と照らし合わせて不足している点を特定します。これにより、必要な改善策を明確にし、最適なマネジメントシステムを構築する基盤を整えます。
2. 文書作成・記録管理サポート
ISO規格に準拠した文書や記録の作成を支援します。既存の業務文書を活用しながら、ISO認証に適した形式へと整理・統合することで、審査をスムーズに通過できる体制を構築します。
3. 内部監査と運用サポート
ISO認証取得の前には、内部監査を実施し、運用の適合性や有効性を検証する必要があります。コンサルタントは、内部監査の計画策定から実施、結果のフィードバックまでを支援し、認証取得後の運用も安定させます。
4. 審査対応とフォローアップ
ISO審査の際には、コンサルタントが立ち会い、審査員の質問への対応をサポートします。また、不適合指摘があった場合には、その根拠を整理し、迅速に改善策を提案することで、スムーズな認証取得を後押しします。
ISO認証取得を成功させるためには、企業の業務プロセスに適した支援を受けることが重要です。適切なコンサルティングサービスを活用することで、効果的かつ確実にISO認証を取得し、維持していくことができます。
④
ISO取得に向けてコンサルに依頼するメリット
ISOコンサルタントに依頼することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
1. 審査通過の確率が向上
ISO認証の取得には、規格に則った体制構築が不可欠です。経験豊富なコンサルタントのサポートを受けることで、適切な準備を進めることができ、審査の通過率が向上します。
2. 社内負担の軽減
ISO認証の準備には、文書作成、内部監査、審査対応など、多くの作業が必要です。コンサルタントが支援することで、社内の負担を軽減し、通常業務への影響を最小限に抑えることが可能になります。
3. 実効性の高いマネジメントシステムの構築
企業の業務に適したマネジメントシステムを構築することで、ISO認証取得後も継続的な運用がしやすくなります。コンサルタントは実務に即したシステムを提案し、無駄を省いたスリムな運用を実現します。
ISO認証をスムーズに取得し、運用し続けるためには、適切なコンサルタントのサポートが不可欠です。認証取得のプロセスを効率化し、負担を軽減するために、コンサルの活用を検討しましょう。
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失敗しないために自社に合ったISOコンサル会社の選び方のポイント
(コンサルティング会社選定における確認事項)
ISOコンサル会社を選定する際には、いくつかの重要なポイントを確認することが大切です。適切なコンサルを選ぶことで、スムーズな認証取得が可能になります。
1. 実績と業界経験を確認する
ISOコンサル会社の実績や過去の成功事例を確認し、自社の業界での支援経験があるかをチェックしましょう。業界特有の課題を理解しているコンサルなら、適切なアドバイスが期待できます。
2. 提供サービスの範囲を把握する
コンサルタントの支援内容には、文書作成、内部監査、審査対応などさまざまなサービスがあります。自社がどこまでの支援を必要としているのかを明確にし、適切なサービスを提供しているコンサル会社を選びましょう。
3. 費用とサポート体制を比較する
ISOコンサル会社ごとに料金体系や追加費用の有無が異なります。見積もりを取り、費用対効果を比較しながら、無理のないコストで利用できるコンサルを選定しましょう。
4. コンサルタントとの相性を確認する
ISO取得プロセスは長期にわたるため、コンサルタントとの相性も重要です。事前に打ち合わせを行い、対応の丁寧さや理解度を確認すると安心です。
5. 認証取得後のフォローアップがあるか
ISO認証取得後の運用支援や継続的な改善サポートを提供しているかも確認しましょう。取得後のフォローが充実しているコンサル会社なら、ISOの運用をスムーズに進めることができます。
適切なコンサル会社を選ぶことで、ISO認証の取得がスムーズに進むだけでなく、認証取得後の運用もしっかりとサポートしてもらえます。慎重に選定し、自社に最適なパートナーを見つけましょう。
⑥
まとめ
ISO認証の取得を成功させるためには、専門的な知識を持つISOコンサルタントのサポートを活用することが重要です。コンサルタントは、企業の現状を分析し、必要な対策を明確にすることで、審査通過の可能性を高めます。
また、ISOコンサル会社によって得意分野や提供するサポート内容が異なります。そのため、複数のコンサル会社を比較し、自社のニーズに合ったサービスを提供できるパートナーを選ぶことが大切です。
ISO認証取得が初めての会社では、コンサルタントによるサポートを依頼するのが一般的かつ最も効率的な方法です。コンサルティング会社のサービス内容やサポート範囲、費用はそれぞれ異なります。適切なコンサルを選ばなければ、期待した支援を受けられず、無駄なコストが発生する可能性もあります。
ISO認証プロジェクトを成功させるためにも、本ページで解説したポイントを基に慎重にコンサル会社を選び、確実に認証取得を進めていきましょう。
この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)
大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている。